【完】同棲ギブアンドテイク〜スパダリ部長と秘密の同棲始めました〜
「どれでも好きな物、頼んで。」
メニューを広げながらそう言ってくれた部長。しかしここのリピーターである私にメニューなんてものはもはや必要ない。悩むことといえば、グラム数をどうするか、というところくらいだ。
「200gとか頼んだら…引きますよね?」
「……なんの話しだ?」
「ハンバーグのグラム数です!」
「食べれると思うなら頼めばいい」
「でも…怒られた後なのに、200gもハンバーグを食べるなんて…何か全然反省していないみたいじゃないですか?」
「………ハンバーグのグラム数ひとつで、部下を過小評価するような上司に見えるか?」
「見えません、200gでお願いします」
部長と二人で大手チェーンのハンバーグ店に来ていることに今更ながらとても違和感を抱く。
誰が見てもカッコイイ、こんな素敵な大人な男性をチェーン店なんかに付き合わせて申し訳ないような気持ちになってきた。