【完】同棲ギブアンドテイク〜スパダリ部長と秘密の同棲始めました〜
「……やっぱり、今からでも会社…戻ります」
部長の肩に頭を乗せて小さくそう呟くと、彼は優しく頭を撫でてくれる。
「私には無敵のスパダリ部長がついてるんだって思えば…何でも頑張れる気がするから。しばらくは誰にも内緒の社内恋愛を、楽しませて貰っていいですか?」
社内恋愛を禁じられている訳では無いが、部長の婚約者だから…という贔屓目で見られるのは嫌なので。
もう暫くは、普通の社会人生活を送りたい。っと言いつつ…このやる気がいつまで続くかなんて分からないし、急に結婚を急かしたりしてしまうかもしれないが、、
「…芳野なら、そう言うと思った。」
沙奈と芳野…って、ちゃんと呼び方を分けている部長。本当、さすがだなぁ…と思う。
「そこで一つ提案がある。発注ミスの連絡をくれた取引先の会社に今からお礼と謝罪をかねて直接挨拶に行こうと思うんだが同行してくれるか?」
なんて、予想していなかったまさかの案件に驚いて…密着していた身体を離して部長と目を合わせる。