【完】同棲ギブアンドテイク〜スパダリ部長と秘密の同棲始めました〜
「ミスを人に擦り付けるような人間のことを恨んだりする時間は無駄だ。折角ならそいつのミスを芳野自身のチャンスに変えてやればいい。」
「そんなこと…私に出来るのかな?」
「人事部お墨付きの顔採用なんだろ?ある意味それは芳野の才能だ。外回りに連れて歩くには確かに有利かもしれない」
「…それって褒められてるのかな?」
「あぁ、どこに出しても恥ずかしくない…自慢の婚約者だよ。」
っと、自分で言ってから─…
「いや…自慢の部下だって、言うべきだったな」
なんて言い直して、少し赤面している部長。こんな可愛い一面は私しか知らなくていいし、他の誰にも教えたくない。
「実はここに来る前、他の社員のことをキツく叱りすぎた。正直このまま芳野に退職されると皆が後味の悪い毎日を過ごすことになっただろうから芳野が戻ってくれると…助かる。」
ちゃんと自分の悪い所を認めて、部下である私にもそれを隠すことなく打ち明ける部長だから…信頼出来る。
上司としても、パートナーとしても…それはきっとこの先も変わらないのだろう。
「顔採用枠代表の力を存分に発揮して、失敗をチャンスに変えられるよう頑張ります!!」
「あぁ…とりあえず、その涙で濡れた顔を何とかして、シワになったシャツを着替えるところから始めようか。」
そっと私の頬に触れ、濡れていた頬を拭ってくれる部長。
「……沙奈の泣き顔を見ていいのは、俺だけだ」
って…それはズルくないですか?