【完】同棲ギブアンドテイク〜スパダリ部長と秘密の同棲始めました〜
「……ソレを頼む人間を見たのは、初めてだ」
料理が運ばれてきて、私の頼んだハンバーグを見るなり目を見開いた部長。……この反応には慣れている。
私の頼んだハンバーグの上には、パイナップルが乗っかっている。これは本当に好みが分かれるので、何とも言えないが……私の中では最上級に美味しい組み合わせなのである。
「甘酸っぱいパインと、ジューシーなハンバーグのコンビネーションが最強です。良かったら少し食べてみてください、世界変わりますよ」
パインをひとつ部長のハンバーグの上に乗せると絶妙に迷惑そうな表情を浮かべつつも、、
「芳野がそこまで言うなら……」
っと言って、私から受け取ったパインと共にハンバーグを口にした部長。……唇がセクシーだな。
なんて、卑猥なことを考えていた私の耳に、、
「確かに、悪くない……」
そう言って、残りのパインも一緒に食べてくれた部長を見ていると…ザワザワと胸が騒いだ。
あぁ……ダメだ。この人を好きになんてなったら絶対に辛い思いをする。釣り合うわけが無い、思いとどまるんだ……沙奈!!