【完】同棲ギブアンドテイク〜スパダリ部長と秘密の同棲始めました〜
デジタル決済でスマートにお会計を済ませた部長に、何度も何度も「ありがとうございます」と「ご馳走様でした」を告げると、、
「分かったから…もうその辺にしてくれ。俺が普段1円も出さないケチな上司みたいだろ」
「っそ、そんなつもりで言った訳では、、」
なんて会話を交わしながら…二人で店を出て駐車場まで歩いている道中で、ちょっとした事件が起こった。
「……、一弥《いちや》?」
前方から歩いてきたスタイル抜群の長身の女性が、私たちの行く手を遮るようにして目の前で立ち止まった。
「ああ、久しぶりだな…」
一弥、と呼ばれた人物はどうやら私の隣に立っているスパダリ部長の事だったらしい。名刺を過去に貰っていたが…自分も周りの社員も”部長”とか”折原部長”と呼ぶばかりで、、
彼の下の名前が何か、なんて考えたことは一度も無かった。…にしても、、名前まで素敵なんてどういうこと?