【完】同棲ギブアンドテイク〜スパダリ部長と秘密の同棲始めました〜
「……どうせ見た目とお金に惹かれて遊び相手として付き合ってるだけでしょ?仮に思い合っていたとしても、身体の関係を持てない彼氏なんて…いくら貴方が若いからって嫌になるでしょ?」
……何を言っているのかよく分からないが、
要するにこの人は自分と付き合っている際に部長と夜の営みが出来なかった…もしくはその回数が少なかったことに対して不満があったのだろう。
だからといって、よくこんな公共の場で恥ずかしげもなくそんな話題を口に出せたものだ。…こんな大人にはなりたくない。
「ご心配には及びません。この後も彼が取ってくれたホテルで一晩中、一緒に過ごす予定なので…あぁ、何をするか…なんて野暮な質問はやめてくださいね?おねーさんと違って私、純粋なんで。恥ずかしくてとても言えないです……」
隣にいる部長の腕に顔を埋めるようにして、若くて憎たらしいブリッ子女を演じた。
─…さて、この後どうしよう?
思いついたままに行動してしまったが、肝心のオチを考えていなかった。このままでは結局また言い負かされて…憂鬱な金曜日を過ごすことが確定する。
その時─…私と彼女の茶番劇をただ黙って傍観していた部長が、ポン…と優しく私の頭に手を乗せた。