【完】同棲ギブアンドテイク〜スパダリ部長と秘密の同棲始めました〜


「……そういうことだ。あまり過去の話しを彼女に聞かせたくはないから…もう行っていいか?」



意外にも、私の虚言に話しを合わせてくれた部長。私のことを背に隠すようにして前に立ち、ハッキリとそう告げた部長を見て…悔しそうに唇を噛み締めた美女はそのまま背を向けて去って行ってしまった。



私としてはまだまだ文句を言い足りない気持ちが残っていたので、走り去る背中に向かってもう一度”オバさん”と叫んでやろうかと思ったが、、




「……もう、いいから」



前に出ようとした身体を部長に制止され、最後の攻撃は叶わなかった。



何とも気まずい空気が流れたが、「行こう」と言って部長が足を進めたので…大人しくその後を着いて歩く。



行きと同様に、私のために助手席の扉を開けてくれる部長を見て胸がキュンと高鳴りつつ…数分前の自分の行動を今になって悔いた。




隣に部長が乗り込んできてすぐに、頭を下げて車内中に響き渡るような大声で謝罪をする。



「も、申し訳ございませんでした!出過ぎた真似を……」



っと、そこまで言ったところで…先程と同様に部長の大きな手のひらが私の頭の上に落っこちてきた。


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