【完】同棲ギブアンドテイク〜スパダリ部長と秘密の同棲始めました〜


「まぁ…もう何年も前の話しだ。彼女と別れてからここ数年の間、恋人が居た事はない。」


「それは…さっきの人のことが忘れられないからですか?」



っと、聞いてしまってから慌てて「申し訳ございません」と謝った。調子に乗りすぎた、そろそろ黙らないと─…



「いや…それはない。ただ、恋愛に対して少し億劫になったというか…面倒で。」


「……誰にでもそういうの、ありますよね。色々聞いてしまって申し訳ありませんでした…」


「思ってた人間と違って失望しただろ?俺は完璧なんかじゃない、アイツの言う通り…男として不能で、残念な男なんだ。いつからなのか、もう覚えていないが…仕事が忙しすぎてそういうことを拒み続けてきたせいか、単にストレスと疲労が溜まってただけなのか……自分でも、よく分からない」



”そんなことないです”なんて、簡単に言うのは間違っているような気がして…何も言えなかった。



男性として不能、と先程の彼女も言っていたけど…ようするに部長にはそういう欲が無いということだろうか?



それとも元々はデキていた行為が何らかの理由でデキなくなったとか?



いずれにせよ、そんなデリケートな話を深く掘り下げて聞きたいとは思わない。もしかしたら部長は女性より男性の方が好きだって遠回しに言ってるのかもしれないし……



そんなこと、私が聞いていいような話では無い。


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