【完】同棲ギブアンドテイク〜スパダリ部長と秘密の同棲始めました〜
「ここ、芳野の最寄り駅だったよな?駅から家までどのくらいかかる?遠いようならこのまま家の前まで送るけど─…」
「っあ、大丈夫です!!すぐそこ…あのコンビニの裏にあるマンションなので、ここで大丈夫です!今日はご馳走様さまでした…わざわざ送って頂きありがとうございます」
駅のロータリーに停車した車。シートベルトを外して部長に向き合い、お礼を述べた。
「あぁ…変に気を使わせて、申し訳なかった」
おそらく…私の”オバさん”発言のことを言っているのだろう。帰りの車内で、部長に対してどうしても言っておきたいことが浮かんだので……ここからは、、
「あの…今から少しだけ、部長の部下としてではなく、22歳一般女性としての考えをお伝えさせて頂いても…宜しいですか?」
部長は私の言葉を聞いて…サイドブレーキを踏んでギアをパーキングに入れ、完全に車を停めた。
「何でしょうか?……芳野 沙奈さん?」
久しぶりにフルネームで呼ばれ、少しドキっとしたが…同じようにシートベルトを外してこちらに身体を向けてくれた部長に、思いを伝えさせてもらうことにした。