【完】同棲ギブアンドテイク〜スパダリ部長と秘密の同棲始めました〜
「職場でも、今みたいにハッキリ物事を言って貰えると助かるんだが?」
「……仕事とプライベートは別です。勉強や難しいことは苦手でも…恋愛や友情に熱くなるのが今の若者世代の特徴です。」
「本当に、芳野と話してるとこちらも勉強になるよ」
なんて、身に余るお言葉を頂いたところで…そろそろ帰ろうと、鞄を手に持って帰り支度を始める
「……家まで送ろうか?」
「大丈夫です!お気遣いありがとうございます」
頭を下げて、ドアを開こうとしてから…もう一度部長の方を振り返る。
「……部長は残念な人なんかじゃないです。初めてお会いした日からずっと、私は部長に救われてばかりで…本当に、誰よりも尊敬しています。だから、また恋愛事で悩んで憂鬱な夜を過ごしそうになったときは…いつでも私を頼ってください」
「……芳野っ、」
「お、お疲れ様でした!!おやすみなさい!!」
何を調子に乗って偉そうなことをっ…と秒で後悔して逃げるように車から飛び出した瞬間、車道側だったことに気付いて驚いた。
……そういえば、左ハンドルの車だったっけ?
なんて今はどうでもいい。後ろから私を呼ぶ部長の声が聞こえたような気がしたが…恥ずかしくて顔を見る勇気がなくて走って家まで帰った。