【完】同棲ギブアンドテイク〜スパダリ部長と秘密の同棲始めました〜
御手洗から戻った私のことを、すぐに他の部署の先輩方が囲んでお酒をすすめてくる。
「……ビール、飽きたんでハイボール頼んでいいですか?」
「……え…あ、いいよ!全然いい!!飲もう!」
気を使って好きでもないビールを飲むことが心底バカバカしく思えたので…好きな物を飲ませてもらうことにした。
──…顔採用…なんて、考えたこともなかった。
たくさん履歴書を書いて、、何社も落ちまくってやっと今の会社に採用して貰えた時……自分を必要としてくれる会社があったんだって、物凄く喜んだのに─…
「……なんで、、わたしはっ」
自分のことを“やれば出来る人間“だなんて、思ってしまったんだろう。
初めから、誰も私に期待なんてしてなかったんだ。だから遅刻をしても何も言われなかったし、どんなにミスをしても…嫌味を言われることもなかった。
「……沙奈ちゃん、急に大人しくなってどーしたの?あー…酔っちゃった?だいじょーぶ?」
どこの誰だか知らない男性の先輩に頬を撫でられたので…セクハラだ、と怒鳴りつけて目の前にあったグラスの中のお酒をぶっかけてやろうかとジョッキを持ち上げた時─…