【完】同棲ギブアンドテイク〜スパダリ部長と秘密の同棲始めました〜
その時、スーツのポケットに入れていたスマホがブーッと音を立てて震えた。
「……芳野のスマホ、だよな?」
こんな時に一体誰が…と思いながらも、電源を落とそうとスマホを取り出したとき…手から滑り落ちてしまったスマホが部長の足元に落下してしまった。
液晶が光り続けていることから、おそらく着信だと思われるが…それを拾い上げてくれた部長には画面に表示されている文字が見えてしまったようで。
「………警察署?なんだ、芳野…お前、警察に世話になるようなことでもしたのか?」
部長のその言葉で…今度は別の緊張感で胸が締め付けられる。あの日、詐欺にあった日…その足で警察署に向かい被害に遭ったことを警察に相談していたので、、おそらくその連絡だろう。
「っあ……その、実は先日詐欺にあって、、」
「……詐欺?」
「一週間でパソコンのスキルが身につくって言われてっ…それで、、」
「……いくら、払ったんだ?」
「……にっ、、」
「二万……?」
「……20万です。現金…一括で、、」
20万と聞いた部長は、目を見開いて驚いたような表情を浮かべたあと…頭を抱えてしまった。