【完】同棲ギブアンドテイク〜スパダリ部長と秘密の同棲始めました〜
「あ、あのー…部長?」
「20万も現金一括で支払うなんて…信じ難い、」
「……事実です」
はぁ…っとため息をついた後、未だしつこく鳴り響いている私のスマホを勝手に操作し始めた部長は─…
「─…はい……いいえ、私は芳野 沙奈の代理の者です、、」
っと、私の代わりに警察からの電話を受けてくれたみたいで……個人情報の漏れがどうとか、詐欺グループの居場所がどうだとか……
難しそうな会話を終えた後、盛大なため息を零した部長は私にスマホを握らせて、、
「……今回だけは、ハッキリ言わせてもらう。芳野、お前はバカなのか?大体…そんな怪しげな教室に入会する前に誰かに相談しようとは思わなかったのか?」
いつもより強い口調で私に注意をする部長。さっきの話の後だとはいえ…怖いものは、怖い…怒られるのは苦手だ。
「あの時はっ…必死だったし、早く出来るようになって部長の役に立ちたいって、」
「……役に立ったな、おかげで今夜は眠れそうにない」
「なぜですか?」
「警察が動かないなら、自分でなんとかするしかないだろ。知り合いに弁護士がいるから…何か手はないか掛け合ってやる」
「そ、そんなっ……大丈夫です、もうお金は戻ってこないって諦めてるので。そんなことしてもらう必要は、、」
「……現金で20万なんて、新卒のお前にとってかなりの痛手だろ?それに芳野は一人暮らしだったよな?家賃がどのくらいなのか知らないが…給料日はまだ先だ……ちゃんと払っていけるのか?」
痛いところをつかれたが、貯金はあるので幸い家賃が払えないという心配はない……多分。