【完】同棲ギブアンドテイク〜スパダリ部長と秘密の同棲始めました〜
「正直ギリギリですけど、何とかやっていけるだけの貯金はあります。それに平日の仕事終わりにバイトでもすればなんとか、」
「……うちは副業禁止だ、バレたら最悪クビになる。上司として…見過ごす訳にはいかない」
「……だったら、私はどうすればっ」
詐欺にあった日から、毎日とても不安だった。貯金があるとはいえ、毎月の支払いが引き落とされた後…次の給料日まで持ちこたえられるか微妙なところだったし…一度抱いた希望が絶望に変わったショックは中々立ち直れるものでは無かった。
まぁ…部下が一人バカな詐欺にあったところで、部長には何の関係もない。余計なことをしたせいで部長まで変な詐欺グループに目をつけられたりしたら、そっちの方が辛い。
「……これは部下としての行動ではなく、、ただの一般女性芳野 沙奈の勝手な行動によるものなので部長に手助けをしていただく必要はないです」
だからもう、この話はお終い…っと、スマホを片付けようとした私の手を…部長がグッと力強く掴んだ。
「なら俺も、上司としてではなく…一人の男として…芳野に一つ提案がある。」
「……て、提案…ですか?」
「資金が安定するまでの間、俺の家で一緒に暮らせばいい。そうすれば…お前が知りたいパソコンの知識や社会人としてのマナーを直接、俺が芳野に教えてやれる。」
……ん?これって一緒に住もうって言われてる?