【完】同棲ギブアンドテイク〜スパダリ部長と秘密の同棲始めました〜
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会社に着いてから、受付の人に入社式に遅れてしまったことを伝え…名前と配属先を伝えると、、
「総務部長の方から伺っております。こちら、入社式の後で手渡される予定だった社員証になりますのでこれを持って正面ゲートを抜けた先のエレベーターで9階に向かってください。そちらが総務部のある階になります」
どうやら、折原部長が既に手配をしてくれていたようで。履歴書に載せていた証明写真が小さく載っている社員証を受け取り…それを手にして9階へと急いだ。
──…実はここへ来る前に、折原部長に到着したことを伝えるため再び電話でのやり取りを交わしていた。
『ご苦労さま…そのまま受付に向かえば案内されるだろうから、中に入ってもらえるか?一人が心細いなら、迎えに行ってやってもいいが…そっちの方が気まずいだろ?』
なんて…あまりの過保護ぶりに驚いたが、多分新入社員の扱いに慣れている部長さんなのだろう…と、想像を膨らませながらやり取りをした。
折原部長がどんな人なのかとても興味はあるけど…初日から遅刻した自分を先輩方が受け入れてくれるのかという不安の方が強くて。
エレベーターが上昇していくごとに、心臓の鼓動が速まっていく。
(……緊張、するっ)