【完】同棲ギブアンドテイク〜スパダリ部長と秘密の同棲始めました〜
その後、部長が詳しく家の中を案内してくれて…リビングやバスルーム、御手洗など一緒に回ったあと…一つの部屋の前で立ち止まった部長が振り返って私を見つめる。
「……一般女性、芳野沙奈さんに聞きたいんだが…寝室はどうすればいい?空いている部屋を、芳野に使ってもらうとして…芳野はどこで寝たい?自室…?それとも─…俺と同室?」
突然、意地悪な質問をぶつけてきた部長に…思わず赤面してしまう。
「あー…この話は明日、芳野がシラフの時にする約束だったよな。とりあえず来客用の布団を敷くから、向かいの空いてる部屋を好きに使ってくれ」
部長が使用していると思われる寝室の前の一室をお借りすることになり、来客用のお布団を敷くのを手伝ったあと…先にお風呂をいただくことになった。
下着の替えなどもちろん持っていないので、同じものを着用するしかないのだが…
「俺の私物で申し訳ないが、スーツで寝るよりはマシだろ。今日はこれで我慢してくれ」
っと、部長の私物であるスウェットを貸して頂きこの上ない幸せを感じながらバスルームに直行した。
男性の一人暮らし、というだけあって…シャンプーやリンスは全てスカルプ系のものばかり。
それでも綺麗に整頓されているそれらを見て…部長の人柄があらわれているのを感じ、全部愛おしく思えた。