【完】同棲ギブアンドテイク〜スパダリ部長と秘密の同棲始めました〜
お風呂を出て、用意してもらったスウェットに着替えると…サイズが大きくてブカブカだった。彼シャツ、という訳では無いが同じようなもので。
スウェットから僅かに香るシトラス系の匂いは、いつも部長が放っているものと同じ─…尊い。
「ぶちょー、見てください!彼シャツならぬ、彼スウェットを纏った私……どうですか?興奮します?!」
リビングのソファーで本を読んでいた部長の元に駆け寄って両手を広げて一回転してみせると、何度か瞬きを繰り返した部長は─…
「……芳野は小柄で華奢だから、思ったより大きかったみたいだな。配慮が足りなくて申し訳ない」
なんて…期待した返答とは随分違うものが返ってきて、部長を有能な男性にするということはとんでもない難題なのでは?っと少しばかり不安になった。
「そ、そんな…気にしないでください。女性の服のサイズ感なんて普通分かんないですよね」
もうこの話はやめよう、と思った私に部長は更なる爆弾を投下してくる。
「あぁ……前のは背が高かったから、違和感が無かっただけか」
………って、それは、、、
例の元恋人の話ですよね?元恋人の彼女もこの家に出入りしてたってこと…?いや、普通に考えてそうだよな…?あの人にもこのスウェットを貸したりしてたのか。