【完】同棲ギブアンドテイク〜スパダリ部長と秘密の同棲始めました〜
部長が使っているシャンプーは男性が使用するものというだけあって、ドライヤーをしているだけで髪の毛がキシキシと絡まる。
私物のシャンプー、トリートメントを置いてもいいか後で聞いてみよう。って…勝手に住む気満々になっているけど明日の朝、部長の気が変わっているという可能性も捨てきれない。
……とりあえず、先程の粗相を謝っておくか。
完全にお酒が抜けて、冷静になってきた今なら…ちゃんとまともな会話を出来るような気がした。
借りていたドライヤーを手にして部屋の扉を開けると…ちょうどお風呂から上がったばかりだと思われる部長と鉢合わせてしまって、思わず視線を逸らす。
(なんだ、なんだ…その色気は!!!)
まるでペアルックのように、同じようなスウェットに身を包み…いつもキチンとセットされている漆黒の黒髪が濡れて、、ポタポタと雫が滴っている。
「……芳野、後でリビングに来てもらっていいか?渡したいものがある」
先程のキスのことなど一切気にしていない、というような口ぶりで語りかけてきた部長。とりあえず直視するのは危険と判断し、何度も頷いて見せた。