【完】同棲ギブアンドテイク〜スパダリ部長と秘密の同棲始めました〜
「ありがとうございます…お借りします」
「あぁ…実践する前に、まずは中身を知ることから始めろ。一週間で全スキル身につくかどうかなんて結局は芳野次第だ。金を払っても、払ってなくても…お前のやる気が無ければ身につくことは一生ない」
急に部長モード突入ですか…?お互いお風呂上がりで、私なんてすっぴんノーメイク…いつも巻いている髪の毛もストレートで自然体そのものなのに─…全くそういう気になったりシないの?
「話は以上だ、新しい歯ブラシを出しておいたから…適当に使ってくれ。俺は部屋に戻るから、何かあれば声をかけてくれ」
「……あっ、はい…おやすみなさい」
「あぁ…おやすみ」
一人、2階の自室へと向かってしまった部長。取り残された私は部長が貸してくれた本を開いて少しばかり目を通してから寝ようと思い読み始める。
所々汚れがあったり、折れてしまっているページがある所を見ると…部長が何度もこれを手にして勉強していた事がひと目でわかる。
お金さえ払えば、一週間でスキルを身につけられると考えた自分の思考をとても恥ずかしく思った。
部長だって簡単に今の地位についた訳じゃないんだ。きっと誰よりも仕事熱心で…たくさん勉強してきたんだろうな。