【完】同棲ギブアンドテイク〜スパダリ部長と秘密の同棲始めました〜
部長の愛が籠った雑炊を食べ終わり、完全復活した私は洗い物を率先してやらせていただき─…
スーツ姿の私と私服姿の部長は今、ダイニングテーブルを挟んで向かい合って座っている。
「あの…昨夜は多大なるご迷惑をお掛けてしてしまい申し訳ありませんでした。失礼な発言を何度もしてしまった自覚は…あります」
部長相手に…偉そうな発言をしたことは確かだ。面接をしたのも採用をしたのも部長では無いのに…八つ当たりみたいに、嘆き散らかして…
今思えば本当に面倒な女だったと自分でも思う。
「酒の席でのことを根に持つ人間にはなりたくない。だから気負いすることなく、これからも今まで通り接してもらって構わない」
その言葉に心から安堵し、ひと息ついた私に、「─…ただ、ひとつ」と部長が話を続けたので再び耳を傾ける。
「酔いが覚めた芳野に確認したいことがあるんだが。それについて、心当たりは─…?」
先程までの穏やかな空気が一変して、私を真っ直ぐ射抜くような瞳で見つめてくる部長から目をそらすことが出来ず。
黙ったまま首を縦に振って、テーブルに置いていた手を膝の上に置いて姿勢を正した。