【完】同棲ギブアンドテイク〜スパダリ部長と秘密の同棲始めました〜
「…やけに大人しいな?昨日の勢いはどうした」
なんて言われましても。やはり多少酔っていないとあんな大それたことを自分の口から言うことはとても出来ない。
かと言って、あの発言を後悔しているというわけではない。
「その様子だと、昨夜のやり取りをちゃんと覚えているみたいだな?」
黙ったまま首を縦に振って頷くと、私のその様子が可笑しかったのか部長は口角をあげて笑う。
「言えないなら─…俺の方から言わせてもらう。」
その言葉に、胸がドクン…と飛び跳ねた。
「社会人として使える人間に育ててやる。代わりに─…俺の夜の相手をシて欲しい」
随分と簡潔に…でも的確に昨日のやり取りをまとめて言葉にしてくれた部長。お互いが有能な人間になる為の秘密の同棲生活、、
「……私が部長のことを、今以上に完璧なスーパーダーリンに育成してみせます。」
初めから断る選択肢なんてない。これは私が言い出したことでもあるし…あわよくば、身体だけでなく心まで私色に染めることがデキたら…なんて、不純な動機まで持ち合わせている。
「……交渉成立、ってことで。これから宜しく─…沙奈」
突然の沙奈呼びに、恥ずかしくなり…思わず目を逸らしてしまう。その様子を一部始終眺めていたと思われる部長。
「……お前、俺を有能な男にシてくれるんだよな?そんなんでこの先、大丈夫か?」
「だ、大丈夫に決まってるじゃないですか。今のはちょっと、照れてしまっただけでっ…夜は部長のことを組み敷いて、ドキドキさせてあげますから!覚悟してくださいねっ!!」
「へぇー…それは、楽しみだな」
なんだか既に主導権を握られているような気がする。けど、夜のレッスンに関しては確実に私の方が有利なはずだからっ…
この余裕そうな部長の表情が崩れるところを、是非とも見てみたいものだ。