【完】同棲ギブアンドテイク〜スパダリ部長と秘密の同棲始めました〜
部長のお家に着いて、部屋に荷物を運んでもらったあと─…一度リビングで今後について話し合おうと言われたので、荷解きをする前にリビングへ向かった。
「……芳野は珈琲は飲めるか?」
どうやら、温かい珈琲を用意してくれたみたいだが…ブラックで飲むことが出来ないお子ちゃまな私。何も言わないのを答えと捉えたのか、部長はミルクと砂糖を用意してそれをダイニングテーブルに運んでくる。
「紅茶や甘い飲み物があればいいんだが…生憎、これしか無い。後で買い出しに行こう」
「ブラックじゃなければ珈琲も飲めます!お気遣いありがとうございます」
とはいえ二人で買い出しに行けることを楽しみに思いつつ…ブラック珈琲にミルクと砂糖をいれて甘めの珈琲になったところで─…
「……これ、この家の鍵。今日からここは芳野の家でもあるから、気兼ねなく生活してくれ。」
一軒家の鍵を手にする日が来るとは。賃貸の鍵とは少し異なる…重みのようなものを感じながら大事に手の中に握った。
「ありがとうございます…大切にします」
改めて、一緒に住むのだという実感が湧いてきてなんだか少し緊張してきた。