【完】同棲ギブアンドテイク〜スパダリ部長と秘密の同棲始めました〜
「……で、例のお前を有能な社会人に育ててやるという話だが…毎晩寝る前に芳野が知りたいと思うジャンルの知識を一つ教えてやることにする」
「一日、一つですか……?」
「あぁ…詰めすぎても身にならなければ意味が無いからな。ゆっくり時間をかけて学んでいく方が芳野には合ってると思う」
まぁ…部長が言うならそれでいいか、と思い了承して珈琲を啜ると…こちらをジッと見つめてくる部長と目が合ったので首を傾げてみせる。
「それで…?そっちはどうなんだ?」
「………はい?」
「…沙奈は、どうやって俺を有能な男に変えるつもり?」
全く…何も考えていなかった。部長のように計画みたいなものを立てている訳では無かったので、私自身どうしたものかと頭を抱える。
「と、とりあえず…寝室は一緒にしてもらってもいいですか?同じベッドで寝るのは大前提…だと思いませんっ!?」
「分かった…なら、今夜から一緒に寝よう」
「……っえ、今日からですか?!」
「…何か問題でもあるのか?」
問題と言うより、気持ちがまだ全然追いついて居ないのですが。こんな心境で今夜一緒に寝るなんて…もう既にギブアップ寸前です。