【完】同棲ギブアンドテイク〜スパダリ部長と秘密の同棲始めました〜
レッスンのハジマリ
その後、必要最低限のものを買い出しに行こうと言う話になり…二人で近くのショッピングモールに出かけた。
日用品だけとりあえず買うことにして、今度の休みに個人的に必要なものを買いに来ようと思いながら何気なく雑貨屋さんを見ていた時─…
「…部長、これお揃いで買いません?」
同棲といえば…っという定番の品、お揃いのマグカップを手に取って部長にプレゼンしてみせる。
「同じものを使うことによって親近感がより深まると思うので!今後のレッスンに役立つと思われます、一緒に使いましょうっ!」
部長は特にコメントを残すことなく、白と黒のマグカップを手に取ってレジへと向かっていく。
欲を言えば水色とピンクを使いたかったという思いは伏せて、マグカップに合う珈琲や紅茶を買って帰ろうと心に決めた。
そのまま食料品売り場で食材の買い出しを始める。部長は料理が苦手みたいだが…私はこう見えて料理が得意な方だったりする。
「夕飯はお肉にしましょう。今日は記念すべき同棲記念日なので」
「なら、ワインも買って帰ろうか」
「……え、明日仕事ですよ?!それに酔ってしまったら今夜、部長に教えてもらう勉強の内容を忘れてしまう危険性が、、」
「多少酔ってる方が芳野の為になるかと思ったんだが、必要無かったか?」
言われていることの意味を理解するのに時間がかかったが、シラフで身体の関係を持つことが出来るのか…と遠回しに言われているのだと気付いた瞬間から、恥ずかしさで死にそうになってきて慌ててお酒売り場まで向かったのは言うまでもない。