【完】同棲ギブアンドテイク〜スパダリ部長と秘密の同棲始めました〜
結局、仮の書類を作成するのに二時間を要して…
「つ、疲れました……」
私が根を上げたことにより本日の折原部長による家庭教師は終了した。─…スパルタすぎる。
「やり方を学んだところで、打ち間違いがあれは元も子もない。タイピングの練習も空き時間にやることをすすめる。」
すっかり冷えきった珈琲を飲みながら、私のパソコンを操作している部長。その様子を見ているとだんだんと瞼が重たくなってくる。
長時間、画面を見ていたことと…ワインの酔いが少し回ってきたのもあり、猛烈な睡魔に襲われ…隣に座っていた部長に寄りかかって目を閉じた。
──…ぶちょー、いい匂いする。
そのまま意識を手放そうとした矢先、パタン…っとパソコンが閉じられた音がしたのでゆっくりと目を開くと、、
肩を抱くようにして腕を回されたことに驚き、寄りかかっていた身体を起こそうとした私の視界に部長の整った顔が映った。
「前の恋人の話をする度に、毎回キスするって言ったのは─…沙奈だったよな?」
「……え……、、っんんぅ、、」
聞き返すまもなく、唇を塞がれ…驚いて抵抗しようとすれば後頭部に手を回され、逃さない…というように深い口付けに変わる。