【完】同棲ギブアンドテイク〜スパダリ部長と秘密の同棲始めました〜
「……私ばっかり、与えてもらって、、全然部長の役に、立ってない」
こんな事で泣いたら絶対に引かれる…そう思うのに、口から出た声はとても弱々しく震えたものだったので…呆気なく見抜かれてしまう。
「本当に、そうだと思うか?」
「……はいっ」
「お前の目には余裕そうに映ってるかもしれないが─…正直に言うと今、かなり理性を保つのに必死だ」
私の手を取って、自身の左胸の辺りに持っていく部長。それが何を意味するのか…数秒してから理解した。
「……心臓、ドキドキしてますね」
「あぁ…こんなに気持ちが高ぶったのはいつぶりだろうな。もう記憶に無いほど前だということだけは確かだ」
「私に触れられて…興奮したってこと?」
「……言い方を変えれば、そうなる」
「っ、ぶちょー!!!」
ガバッと身体を起こして、彼の首元に腕を回しギュッと抱きついてみせた。