【完】同棲ギブアンドテイク〜スパダリ部長と秘密の同棲始めました〜
仕事終わり、帰り道に雑貨屋さんに立ち寄って…部長のお弁当箱をゲットした。
今朝は急いでいたのもあるし、どこを探してもお弁当箱らしきものが見つからなかったので…仕方なくタッパーに詰めてしまったので、絶対に帰りに買って帰ろうと決めていたのだ。
ビジネスバッグに入れられるようなスマートな細めの2段弁当。部長が手にしていても違和感がないようなモノトーンな色のものを選んだ。
部長の家の最寄り駅の近くに小さな商店街があるので…そこで少しだけ夕飯の買い出しをして帰宅した。
渡された合鍵を初めて差し込んでみると、なんだか少し恥ずかしい気持ちになって……それを誤魔化すように急いで中に入った。
「……ただいま、、って言っていいのかな」
私の方が早かったみたいで、真っ暗の家にひとつずつ明かりを灯していく。部長が帰ってくる前にお風呂を沸かしてから、夕飯の支度に取り掛かる
鮭を焼いているタイミングでリビングに部長が顔を覗かせた。
「っあ…おかえりなさい、部長」
手を止めて、ぺこりと頭を下げると…朝と同様に笑われてしまった。
「あぁ、ただいま─…芳野。」
職場では一切見せてくれないような笑みを、惜しむことなく私に向けてくれる部長。思わず顔を赤く染めてしまいそうになるのを必死で堪える。