【完】同棲ギブアンドテイク〜スパダリ部長と秘密の同棲始めました〜
「夕飯…まだ出来ていないので、良かったら先にお風呂に入ってきて貰えると助かります」
部長の方を見ず、鮭をひっくり返しながらそう伝えると…何やらこちらに向かってきている気配を感じたのでゆっくりと顔を上げる。
「……これ、食後に…一緒に食べよう」
「デザートですか?!仕事終わりにわざわざ買いに行ってくださったんですね…ありがとうございます」
キッチンのカウンターに置かれた箱。要冷蔵と箱に記されているが、ケーキ?いやシュークリームかな…?中身が気になりすぎるが食後の楽しみに取っておこうと、有難く受け取って冷蔵庫の中に入れて置いた。
その後、部長がお風呂に向かったのを見届けて…夕飯を作り終えてから明日のお弁当の下準備を済ませておく。
調理に使用したものを洗っているところに部長が戻ってきたので、一旦手を止めて…炊きたての白米をよそって食卓に並べる。
「……今日は和食?」
「はい、こちら沙奈ちゃん定食ですっ!ご飯とお味噌汁のおかわりは自由なので、いつでも仰ってくださいね?」
「……芳野が定食屋を開いたら、毎日通うよ」
「通わなくても毎日家で食べれますよ?一緒に暮らしてるんですから」
「……あぁ、そうだったな」
なんて、たわいもない話をしながら夕飯を済ませ…洗い物は部長が担当すると言って聞かないので甘えることにして、私はその間にお風呂に入らせてもらった。