神殺しのクロノスタシス2

side羽久

──────…俺がシルナを引っ張って、校庭に出た頃には。



既に、多くの生徒が校庭に集まり、整然と並んでいた。

校庭にある朝礼台の上には、イレースが腕を組み、ストップウォッチ片手に立っていた。

おぉ、なんて威厳のある姿。

あれを見れば、急いで避難しなきゃ、って気にもなるな。

シルナとは大違いだ。

「イレース、時間は?」

「現在、4分20秒です」

ホッ。

とりあえず、俺とシルナは罰掃除を免れたようだ。

シルナが罰掃除をされようが、イレースに説教されようが、勝手にすれば良いが。

俺まで巻き込まれるのは、御免だからな。

間に合って良かった。

そして。

「はい、五分経過しました」

無情にも、イレースの指定した時刻が来てしまった。
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