神殺しのクロノスタシス2
sideナジュ
─────…その頃、一年生の教室では。
「繰り返します。先程の火災報知器の作動は、誤作動だと判明しました。生徒の皆さんは、落ち着いて、安心してください。各クラスは、授業を再開してください」
イレース・クローリアの声が、スピーカーから繰り返し流れてきた。
…火災報知器の誤作動…ねぇ。
「これ、避難訓練じゃないんだよね?避難しなくて良いんだよね?」
「何だったんだ?今の。火事じゃないんだよな?」
クラスメイトは、騒然としていた。
避難訓練なら、先週やったばかりだが。
そもそも、この学院の四階に、魔導研究室なんてないはずだが。
「先生、大丈夫なんですよね?」
生徒の一人が、「先生」…と言う名の、シルナ・エインリーの分身に尋ねた。
すると、女性の姿を模した「先生」は、僕達生徒を安心させる為に、笑顔で答えた。
「大丈夫ですよ。イレース先生の放送の通りです。きっと、火災報知器の調子が悪かったんでしょう」
…白々しい嘘をどうも。
しかし、そんな言葉でも、生徒達は安心したようだった。
「さぁ、もう大丈夫ですよ。皆さん落ち着いて、改めて授業を再開しましょう。少し前からもう一度説明しますね」
「は、はい」
「では、教科書の36ページを開いて。そこに書いてあるように、ルーデュニア聖王国憲法に、魔導師という言葉が出てきたのは遥か昔の…」
何事もなかったように、授業を再開する様は、あっぱれ。
さすがシルナ・エインリー。
の、分身と言ったところか。
こいつを観察しても、何があったのかは分からない。
実は、この時点で僕は、何が起きたのかなど、知らないで良かったのだ。
お互いの為に、な。
「繰り返します。先程の火災報知器の作動は、誤作動だと判明しました。生徒の皆さんは、落ち着いて、安心してください。各クラスは、授業を再開してください」
イレース・クローリアの声が、スピーカーから繰り返し流れてきた。
…火災報知器の誤作動…ねぇ。
「これ、避難訓練じゃないんだよね?避難しなくて良いんだよね?」
「何だったんだ?今の。火事じゃないんだよな?」
クラスメイトは、騒然としていた。
避難訓練なら、先週やったばかりだが。
そもそも、この学院の四階に、魔導研究室なんてないはずだが。
「先生、大丈夫なんですよね?」
生徒の一人が、「先生」…と言う名の、シルナ・エインリーの分身に尋ねた。
すると、女性の姿を模した「先生」は、僕達生徒を安心させる為に、笑顔で答えた。
「大丈夫ですよ。イレース先生の放送の通りです。きっと、火災報知器の調子が悪かったんでしょう」
…白々しい嘘をどうも。
しかし、そんな言葉でも、生徒達は安心したようだった。
「さぁ、もう大丈夫ですよ。皆さん落ち着いて、改めて授業を再開しましょう。少し前からもう一度説明しますね」
「は、はい」
「では、教科書の36ページを開いて。そこに書いてあるように、ルーデュニア聖王国憲法に、魔導師という言葉が出てきたのは遥か昔の…」
何事もなかったように、授業を再開する様は、あっぱれ。
さすがシルナ・エインリー。
の、分身と言ったところか。
こいつを観察しても、何があったのかは分からない。
実は、この時点で僕は、何が起きたのかなど、知らないで良かったのだ。
お互いの為に、な。