神殺しのクロノスタシス2
…天音が再び眠ってから。

「…聞いたね、二人共」

シルナは、静かに言った。

「この子は、学院で預かる」

「…」

他言無用、ってことね。

そう言うと思った。

「何があっても、私が責任を取る。二人に迷惑はかけない」

「…それ以上言うな」

馬鹿じゃないか。

シルナが背負うものなら、俺だって同じように背負うに決まってるだろ。

何、一人で責任背負って、自己満足しようとしてるんだ。

一方、イレースは。

「…私としては、反対ですけど」

…手厳しい。

「でも、あなたがそこまで言うなら、止めても無駄ですね」

「…いつもごめんね、イレースちゃん」

「全くです」

とか言いながら、もし何かあったら放っとかないだろうけど。

とにかく。

この天音という魔導師は、シルナに敵意を持っている訳じゃない。

それが分かっただけでも、収穫だ。
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