神殺しのクロノスタシス2
「…あれは、悪魔の化身です」

震える声で、天音は呟いた。

「あんな邪悪な魔導師は見たことがない。あれのせいで…あれのせいで、僕は…」

「天音君…」

「…っく…う…」

「…」

天音は、震えながら顔を覆ってしまった。

…悪いことを聞いてしまったかもしれない。

「あれのせいで…僕は…」

「…ごめんね。無理に話さなくて良いから」

「…良いんです…」

涙を溢しながら、しかし、天音の目は、憎悪に染まっていた。

『殺戮の堕天使』とやらと、天音の間に、何があったのか…。

「…あなたにも、知っておいて欲しい…。あれは、いつかあなたの前にも現れるかもしれない…」

「…天音君…」

「…少し、長くなるかもしれません」

そう前置きして。

天音は、語り始めた。


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