神殺しのクロノスタシス2
僕が各地を回っている間、至るところで争いが起きていました。

村と村で。里と里で。

同じ人間なのに、互いに争い合う。

僕が治療した人々の中には、その争いのせいで傷を負った人も多かったんです。

槍に貫かれて、腸が飛び出した人。

火に焼かれて、全身を火傷した人。

そんな人々を治す度に、僕は辛い気持ちになりました。

どうして、人は争わずにいられないのか。

どうして、手を取り合って平和に生きられないのか。

きっと、僕には分からない、彼らには彼らなりの理由があるのでしょう。

だから、そこをとやかく言うつもりはありません。

とにかく僕は、争いが嫌いでした。

戦争に荷担したり、関わらせられるのは、絶対に御免でした。

ただ僕は、命を助けたかっただけだったんですから。

そして僕は、そんな流浪の旅の途中で、とある村に立ち寄りました。

そこで、あの悪魔に会ったのです。
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