神殺しのクロノスタシス2
「…へぇ」

「…っ…」

まるで斬撃のような風の魔法を、僕は防御結界で防ぎました。

僕は回復魔法専門の魔導師ですが、それくらいは出来ましたから。

これ以上、罪のない村人を殺させる訳にはいかなかった。

「いるじゃないですか。しかも、今のを防ぐとは…。優秀な魔導師というのは、伊達ではないようで」

「あなたは…。お前は…何者だ」

僕は防御魔法を強化しながら、そう尋ねました。

すると。

「そうですね…。『殺戮の堕天使』とでも名乗っておきましょうか。何だか格好良くないですか?」

何が、そんなにおかしいのか。

『殺戮の堕天使』は、くるくると杖を弄びながら笑いました。

そう、笑ったのです。

罪のない人の命を奪っておきながら。

「何でこんなことを…!」

「良かった。どうやら骨のある魔導師のようで」

「…?」

「さぁ守ってください。怒ってくださいよ。さもないと…」

『殺戮の堕天使』は、手に持っていた少年の首を放り投げ。

かまいたちを用いて、その首をバラバラの肉片に変えてしまいました。

「…全員、こうなってしまいますよ?」

「…!お前…!」

「じゃあ始めましょうか。人生最後の…血の饗宴を」






こうして、殺戮は始まりました。





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