神殺しのクロノスタシス2
元々回復魔法と、少し齧った程度の光魔法しか使えなかった僕の。

しかも、村人を守る為に、既にほとんどの魔力を使い果たしていた僕の、渾身の一撃など。

『殺戮の堕天使』にとっては、所詮子供の魔法のようなものでした。

「ぐ…っは…」

『殺戮の堕天使』の一撃が、僕の身体を貫きました。

「もう少し、歯応えがあると思っていたのに…残念です」

そうして、僕の身体をゴミのように放り投げました。

その先のことは、あまり覚えていません。

『殺戮の堕天使』の一撃が、僕に致命傷を負わせたのです。

でも、これだけは覚えています。

冷えきった目で、失望したような目で。

破壊し尽くされた平穏を、嘲笑うように。

彼は、こう言ったのです。
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