神殺しのクロノスタシス2
…だが。

天音のくれた情報は、とても有益だ。

『殺戮の堕天使』。

そいつが、我がルーデュニア聖王国を彷徨いているのなら…。

俺達も、看過することは出来ない。

ましてやそいつは、天音という、決して弱くはない魔導師を一撃で倒した。

恐らく…いや。

間違いなく、手練れの魔導師だ。

聖魔騎士団魔導部隊の大隊長達とも、まともに渡り合えるほどの。

しかもそいつは、罪なき人々を皆殺しにするという、残酷な行為をやってのけた。

そんな危険きわまりない人物を、野放しにはしておけまい。

目的が分からない分、ある意味『禁忌の黒魔導書』よりタチが悪い。

そう…目的。

「その子…一体、何が目的だったんだろうね」

シルナは、俺が抱いたのと同じ疑問を口にした。
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