神殺しのクロノスタシス2
さて、お次の競技は。

障害物競争、である。

こちらも定番だな。

しかし、我がイーニシュフェルト魔導学院の障害物競争は、普通の学校のものとは違う。

普通障害物競争の、障害物といえば。

ネットの下を潜ったり、平均台を歩いたり、ハードルを飛んだり…なんかをイメージするだろうが。

我がイーニシュフェルト魔導学院は、その名の通り、魔導学院である。

折角だからと、シルナは手ずから魔法を使って「障害物」を作った。

魔法で作るのだから、何でもアリだ。

無駄に器用だしな、この学院長。

上下左右に動くバーを潜り抜けたり。

今度はくるくる回るバーを駆け抜けたり。

丸いボールの振り子(勿論、当たっても怪我しないようスポンジ製)を避けながら進んだり。

まぁ、こんな感じで多種多様な障害物が用意されている。

もし落ちたり転んだりしても、怪我をしないよう工夫されてはいるものの。

下らないことに魔法を使うなと言いたいところだが、一応うちの学校、魔導学院だし。

運動会も、ちょっとそれっぽい要素を入れておかないと。

最悪、保護者から苦情来るよ。

うちの子をお宅に預けてるのは、下らない運動会させる為じゃありません!とか。

仰有る通りでございます。

で、シルナはと言うと。

「頑張れー!ユイトくーん!ファイトー!あっ、当たる当たる!気を付けてー!」

相変わらず、応援うちわ片手に大はしゃぎ。

お前さ、自分で作ったコース、自分もやりたいだけだろ。

一緒にやってこいよ。うるさいから。

ちなみにこの間、イレースはと言うと、黙々と各チームの得点を計算している。

俺もあっち手伝いたかったなぁ。

シルナの(無駄にうるさい)声援のせいで、ちっともくつろげないよ。
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