神殺しのクロノスタシス2
「あぅ~…」
「…」
ぐでーん、と観客席のテーブルに突っ伏して、覇気のない学院長シルナ・エインリー。
俺は無視しておこうと思ったのだが。
「そこ、邪魔です」
イレースは、容赦なかった。
イレースは半ば強引にシルナを蹴っ飛ばし、パイプ椅子やテーブルを、てきぱき片付けていた。
偉い。イレース。お前は偉いぞ。
それに比べて、この役立たずのハゲおっさんは何だ。
「お前も片付けろよ。分身出せるだろ」
何一人でサボってるんだ。
「だぁってぇ…」
「あ?」
「いつになく、生徒達が可哀想で…」
「…」
…それは、まぁ。
確かに、今年はちょっと可哀想だったかもしれない。
勝利した黄チームは良いとして。
青チームは、ほんの二点という僅差で、優勝を逃した。
赤チームなんて、優勝争いに食い込めてすらいない点数。
ここまで極端なのは珍しい。
青チームと赤チームの生徒が、それぞれ別の意味で可哀想。
でも。
「しょうがないだろ。今回はそうなる運命だったんだよ」
もう一回やってみろ。
今度は、また別の結果になるぞ。
「あぁ。負けた生徒達の、あの可哀想な顔…。やっぱり、皆優勝にしてあげれば良かった…」
「…」
それはそれで、可哀想じゃないか?
「…良いから、早く片付け手伝えよ」
「…血も涙もないね…君は…」
悪かったな。
こうして、今年もイーニシュフェルト魔導学院の運動会は、無事に終了したのだった。
「…」
ぐでーん、と観客席のテーブルに突っ伏して、覇気のない学院長シルナ・エインリー。
俺は無視しておこうと思ったのだが。
「そこ、邪魔です」
イレースは、容赦なかった。
イレースは半ば強引にシルナを蹴っ飛ばし、パイプ椅子やテーブルを、てきぱき片付けていた。
偉い。イレース。お前は偉いぞ。
それに比べて、この役立たずのハゲおっさんは何だ。
「お前も片付けろよ。分身出せるだろ」
何一人でサボってるんだ。
「だぁってぇ…」
「あ?」
「いつになく、生徒達が可哀想で…」
「…」
…それは、まぁ。
確かに、今年はちょっと可哀想だったかもしれない。
勝利した黄チームは良いとして。
青チームは、ほんの二点という僅差で、優勝を逃した。
赤チームなんて、優勝争いに食い込めてすらいない点数。
ここまで極端なのは珍しい。
青チームと赤チームの生徒が、それぞれ別の意味で可哀想。
でも。
「しょうがないだろ。今回はそうなる運命だったんだよ」
もう一回やってみろ。
今度は、また別の結果になるぞ。
「あぁ。負けた生徒達の、あの可哀想な顔…。やっぱり、皆優勝にしてあげれば良かった…」
「…」
それはそれで、可哀想じゃないか?
「…良いから、早く片付け手伝えよ」
「…血も涙もないね…君は…」
悪かったな。
こうして、今年もイーニシュフェルト魔導学院の運動会は、無事に終了したのだった。