神殺しのクロノスタシス2
「七つ目も、幽霊が出るって話なんですけど…」

「何処に?」

「それが、何処かは分からないんです」

何だと?

「校舎の中だってことは確かなんだけど、一階でも二階でも、図書室や保健室にも出てくるとか…」

出てくる場所を選ばないタイプか。

神出鬼没なんだな。

「何処か定まった場所に出てくる訳じゃなくて、うろうろ放浪していると言うか…」

「成程。徘徊してんのな…」

何か探し物でもしてるんだろうか。

うちの学院探しても、見つかるのはシルナの隠してる秘蔵のお菓子くらいだぞ。

「以上、イーニシュフェルトの七不思議です」

「ふーん…」

生徒達は面白いことを思い付くもんだな。

すると。

丁度、下校時間10分前を知らせるチャイムの音が鳴った。

「あっ、もうこんな時間…。帰って課題しなきゃ」

「あぁ。気を付けて帰りなよ」

「はーい。それじゃあ、また今度」

女子生徒達は、それぞれ学生寮に帰っていった。

それにしても、イーニシュフェルトの七不思議…ねぇ。

今までそんなの聞いたこともなかったが、いつの間にか出来てたんだな。

…で。

「…シルナ。しっかりしろ」

「…お化け…幽霊…七不思議…」

神に対しては、平気で啖呵を切る癖に。

幽霊に対しては、このびびりっぷりだからな。

全く、学院長の威厳は何処へやら。
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