神殺しのクロノスタシス2
「お帰りー!お帰りっ…。あっ、ロジーちゃんお帰り!シャーロットちゃんも!お帰りー!」

シルナの、このはしゃぎっぷり。

初めて遊園地に連れてきてもらった、幼稚園児のようである。

シルナは、夏休み初日の落ち込みっぷりが嘘のように、平常運転に戻っていた。

いや、むしろテンション上がりまくってる。

見てみろ。

校門に陣取って、学内に入ろうとする生徒一人一人に声をかけている。

「お帰り~!楽しかった?今日からまた授業頑張ろうね~!」

シルナが一番嬉しそう。

中には、そんなシルナに、故郷からわざわざお土産を買ってきてくれる、心優しい生徒もいて。

「学院長先生、これお土産です。良かったらどうぞ」

なんて、渡されてみろ。

「あ、ありがとう…!」

涙声で感謝し、その生徒を抱き締めていた。

お前は良いとして、抱きつかれる方は大迷惑。

セクハラだぞ、セクハラ。

とにかく、二学期が始まる今日。

今日は、シルナにとって、入学式の次に、嬉しい日なのだ。

やれやれ。
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