神殺しのクロノスタシス2
「…んー…」

「…」

「んー…。困ったな~…」

ちらっ。

「…」

「困ったな~」

ちらっ。ちらっ。

「…困ったな~」

ちらっ。ちらっ。ちらっ。

「…さて、次の授業の準備でもするかな」

「ちょっと待って羽久~っ!相手してよ!」

立ち上がりかけた俺を、シルナががばっ、と抱きついてきた。

あーキモい。

「何で無視するの?ねぇ何で無視するの!?」

だって、ちらちら察してちゃんするのがウザかったんだもん。

あからさまにかまちょしてくるもんだから、つい腹立って。

「何だよ。言いたいことがあるなら、かまちょしてないでさっさと言えよ」

「酷い!私がこんなに困ってるのに~!」

「だから、何に?」

それを先に言え。

いちいちちらちらしてくるな。

何が嬉しくて、おっさんにちら見されにゃならんのだ。

気色悪い。

「深刻なことなんだよ!」

「だから、何がだよ」

「シャーロットちゃん知ってる?生徒の」

…シャーロットちゃん?

自慢じゃないが、俺はシルナと違って、全校生徒の名前を全員把握している訳じゃないからな。

五、六年生になれば全員覚えてるんだけど。

「何年生?」

「一年生」

ってことは、この間入ってきたばかりじゃないか。

覚えてる訳がない。

俺が担当している時魔法の授業は、高度な内容になるので、もう少し学年が上がってから開講されるのだ。

「そのシャーロットちゃんがどうしたんだよ」

「授業に出てこないの」

「…はぁ?」

授業に出てこないって…そりゃどういうことだ。
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