神殺しのクロノスタシス2
「…まさか『殺戮の堕天使』が、イーニシュフェルトに潜入していたなんて…」
「…」
この場にいるのは、四人。
俺とシルナ、そして天音。
それから、事の次第を聞き付けて、急ぎ学院に戻ってきたイレース。
この四人だ。
「…気づけなかったのは、私の失態だね」
シルナが言った。
「シルナだけの責任じゃないだろ…」
俺やイレースも、同じ学院にいたのだ。
それなのに、学院の中にあんな爆弾を抱えていることに、気づけなかった。
それはシルナだけの責任じゃない。
そして、あれは相手が悪かった。
『殺戮の堕天使』。ナジュ・アンブローシア。
本名なのか、偽名なのかは分からないが…。
とにかく、今分かることは。
あのナジュという男が、イーニシュフェルトの、ひいては聖魔騎士団の敵であるということだ。
『禁忌の黒魔導書』の封印を解いたのは自分だと、認めたのだから。
そして、同時にもう一つ分かっていることがある。
ナジュ・アンブローシアが、非常に強力な魔導師であるということだ。
そもそも、俺やイレース、そしてシルナの目を掻い潜って、生徒を演じてみせたのだ。
俺とイレースだけだったら、まだ騙すのは簡単かもしれない。
でも、シルナまでもが…気づけなかった。
シルナの観察眼は、ルーデュニア聖王国でも随一なのだ。
それなのにあいつは、自分がスパイであることを、ずっと隠し通した。
今回の事件が起きなければ、俺達はずっと気づかなかっただろう。
あの男が、スパイであることを。
シルナの目を掻い潜り、イーニシュフェルト魔導学院に潜み続けた。
一体どんな手品を使ったのか、聞きたくなるよ。
シルナでさえ、見抜けなかったのだ。
多分、誰も気づけなかったはずだ。
だから、シルナのせいではない。
…でも、シルナは自分の責任だと思ってるのだろうな。
何でも、一人で抱えたがるのだから。こいつは。
「…」
この場にいるのは、四人。
俺とシルナ、そして天音。
それから、事の次第を聞き付けて、急ぎ学院に戻ってきたイレース。
この四人だ。
「…気づけなかったのは、私の失態だね」
シルナが言った。
「シルナだけの責任じゃないだろ…」
俺やイレースも、同じ学院にいたのだ。
それなのに、学院の中にあんな爆弾を抱えていることに、気づけなかった。
それはシルナだけの責任じゃない。
そして、あれは相手が悪かった。
『殺戮の堕天使』。ナジュ・アンブローシア。
本名なのか、偽名なのかは分からないが…。
とにかく、今分かることは。
あのナジュという男が、イーニシュフェルトの、ひいては聖魔騎士団の敵であるということだ。
『禁忌の黒魔導書』の封印を解いたのは自分だと、認めたのだから。
そして、同時にもう一つ分かっていることがある。
ナジュ・アンブローシアが、非常に強力な魔導師であるということだ。
そもそも、俺やイレース、そしてシルナの目を掻い潜って、生徒を演じてみせたのだ。
俺とイレースだけだったら、まだ騙すのは簡単かもしれない。
でも、シルナまでもが…気づけなかった。
シルナの観察眼は、ルーデュニア聖王国でも随一なのだ。
それなのにあいつは、自分がスパイであることを、ずっと隠し通した。
今回の事件が起きなければ、俺達はずっと気づかなかっただろう。
あの男が、スパイであることを。
シルナの目を掻い潜り、イーニシュフェルト魔導学院に潜み続けた。
一体どんな手品を使ったのか、聞きたくなるよ。
シルナでさえ、見抜けなかったのだ。
多分、誰も気づけなかったはずだ。
だから、シルナのせいではない。
…でも、シルナは自分の責任だと思ってるのだろうな。
何でも、一人で抱えたがるのだから。こいつは。