神殺しのクロノスタシス2
まず最初に向かったのは、『殺戮の堕天使』が毎日通っていたという、1年Aクラスの教室。

無闇さんは、すぐに学院長に話をつけてきてくれた。

学院長も承諾し、おまけに、案内役としてイレースさんも貸してくれた。

イレースさんに案内され、僕と無闇さんは、1年Aクラスの教室に入った。

教室の中は、無人だった。

あんなことがあったのだ。生徒達も、授業どころじゃないだろうな。

がらんとした、無人の教室。

それでも、懐かしいと思った。

僕は、素直にそう思った。

そういえば、無闇さんもイレースさんも、イーニシュフェルトの卒業生じゃないんだよな。

…なんて、感傷に浸ってる場合じゃないんだった。

「それで…その、ナジュ・アンブローシアという生徒の席は、何処だったんですか?」

「ここです」

案内役のイレースさんが、その席を教えてくれた。

もう座る者のいない席。

偽りの生徒の席。

「…」

僕は、その机に手を置き、そっと目を閉じた。
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