神殺しのクロノスタシス2
「っ…」

「!大丈夫か」

あまりに集中し過ぎて。

目を開けた瞬間、ぐらりと倒れそうになった。

それを、無闇さんが抱き止めてくれた。

「済みません…」

「いや、それより…大丈夫か。横になるか?」

「いえ…大丈夫です…」

『痕跡』が少なければ少ないほど、辿るのが難しい。

僕は、ナジュ・アンブローシアが微かに残した『痕跡』を探るのに、莫大な集中力と、そして魔力を使ってしまった。

お陰で、倒れそうになった。

この程度で倒れる、自分が不甲斐ない。

でも。

「見つけました…」

「…!本当か」

「彼は、この時空にはいません。他の時空に…」

「そうか。やはり、彼も時空間の移動を…」

出来るだろうな。彼ほどの魔導師なら。

でも、見つけた。

そして、気づいた。

あれは、おかしい。

「学院長と羽久さんに、伝えないと…今すぐ…」

彼らは、僕の情報を待っている。

一刻も早く、ナジュ・アンブローシアが再び罪を犯す前に…。

彼の持つ特異な魔力のことを…。

「落ち着け。まず魔力を…」

「早く伝えないと…。彼は…彼には…」





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