神殺しのクロノスタシス2
僕は幸せだった。

僕は満たされていた。

彼女は僕に、僕の知らなかった全てを教えてくれた。

悲しいことも辛いことも、嬉しいことも楽しいことも。

孤独も愛情も。

泣き方も笑い方も。

愛することも、愛されることも。

全部全部、リリスが教えてくれた。

彼女は、僕の全世界だった。

家族なんて、僕には要らない。

友達なんて、僕には要らない。

ただリリスがいてくれれば良かった。

リリスが人間でなかろうと、魔物だろうと、そんなことは関係ない。

リリスが傍にいてくれれば、それで良かった。

それだけで良かったのだ。

他には、何も求めていなかった。

それなのに。

それなのに。














…最期の瞬間、彼女の顔が忘れられない。

まるで脳裏に焼き付いたように。

ずっと一緒にいようって約束した。

…でも、それは。

その約束は…。




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