神殺しのクロノスタシス2
「逃げるって…でも!あいつは『殺戮の堕天使』で…」

「そんなもんじゃねぇ。あいつは、あれは、お前と俺様じゃ無理だ」

無理、だって?

先程まで、あれだけイキっていたベルフェゴールが。

ベルフェゴールの態度を豹変させる何かが、彼にあるというのか。

「…くっ…」

ともかく。

戦うにしても逃げるにしても、クュルナさんを置いてはいけない。

最悪刺し違えてでも、クュルナさんは逃がす。

俺は、突進とばかりにナジュ・アンブローシアに体当たりした。

「おっと。痛いんですけど」

「クュルナさん!逃げて!」

クュルナさんに向かって絶叫した。

今のうちに。

だが。

「そんな…!あなただけ置いて、逃げられる訳…」

馬鹿。

俺なんて置いていけば良い。それよりも…!

「あぁ成程。女の方だけ逃がそうってことですか」

「…!」

感付かれてる。

「悪いけど、それはさせません。あなた達二人、と一匹。まとめて死んでもらいます」

「…!!」

俺はクュルナさんの盾になろうと、クュルナさんはクュルナさんで防御魔法を展開しようとした、

そのとき。

「…それはさせないよ、ナジュ君」

とんでもなく心強い仲間が、その場に駆け付けた。
< 287 / 742 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop