神殺しのクロノスタシス2
彼女のことを話しましょうか。

彼女は…僕がまだ五歳くらいだったときに、契約したんです。

僕はそのとき、彼女が冥界からやって来た魔物だってことを知りませんでした。

でも、そんなのどうでも良いと思いません?

あなたもそうでしょう?

あなたの大好きな二十音・グラスフィアの中にも、えげつないのがいるそうですけど。

そんなの関係なく、あなたは二十音さんを愛してるでしょう?

僕もそうでした。彼女が魔物だと知っても、僕達の愛の中には、ほんの些細なことでしかなかったんです。

彼女のことを紹介しましょうか。

聞きたくないかもしれませんけど、聞いてやってください。

彼女は…冥界では、最上位の魔物だったそうです。

吐月さんの契約しているベルフェゴールも、同じでしたね。

でも彼女は、更に格が上でした。

最上位って何なんだよ、って思いますよね。

とにかく、僕の召喚魔は、ベルフェゴールさんよりも更に格上でした。

あなたなら、もう薄々気づいてるんじゃないですか?

そう、あなたの考えてる通りです。

僕の召喚魔の名は、リリス。

別名、『冥界の女王』。

何故彼女が女王なのかも、もう分かりますよね。

そうです。その通り。

彼女は、不老不死の魔物だったんです。
< 296 / 742 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop