神殺しのクロノスタシス2
「うぇぇんっ…。ひっく、ひっく。ふぇっ…」

「…」

あまりに泣き顔が汚過ぎて、見たくないんだけど。

すると。

「学院長、そろそろ時間で…」

そこに、イレースが入ってきた。

そして、泣きじゃくるシルナを見て、一言。

「…何ですか、これは」

これ呼ばわり。

分かる。その気持ちは物凄くよく分かる。

「イーニシュフェルト魔導学院の学院長だよ、これが」

「何をやってるんですか…。何がしたいんですか?」

「さぁ…」

本当、何がしたいんだろうな。

俺にもよく分かんねぇよ。

「…!いれーずぢゃん!いれーずぢゃぁぁん…」

「ちょっ、近寄らないでください。鼻水がつくでしょう!」

イレースに気づいてすがりつこうとするシルナから、イレースは全力で逃げた。

「何をやってるんですかあなたは。もう時間ですよ。早く講堂に…」

「…いがにゃい」

「は?」

「講堂なんて、いがにゃい!」

「…」

皆さん、ご覧頂けるだろうか。

これが、良い歳をして駄々を捏ねる、イーニシュフェルト魔導学院の学院長の姿である。
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