神殺しのクロノスタシス2

sideシルナ

──────…それが。

それが、この子の望み。

全ては、自分を殺してもらう為に…。

「…ナジュ君」

「…はい」

「君は、本当に死にたいの?」

もし、彼が本当に死にたいのなら。

私も、協力しないこともない。

だけど。

「愚問ですね。死にたいに決まってるじゃないですか。だからあなたに…」

「じゃあ、何で君は」

私は、ナジュ君の瞳に溢れる涙を、指で拭った。

「…こんなに泣いてるの」

「…」

「その涙は、何?」

「…難しい質問をしますね」

そんなに難しい質問をしたつもりは、ないんだけど。

簡単に分かることだ。

君が泣いてるのは。

「死にたいんじゃない。ただ君は、その子…リリスちゃんに、会いたいだけなんでしょう」

「…」

「ただ一緒にいたいだけなんでしょう。私と二十音がそうであるように」

「…そうですね。…そうですよ」

それなのに、君は泣いてる。

それは決して、死にたいからじゃない。

「でも他に、どんな方法があるって言うんですか?死ぬ以外に、どうやって僕は、」

「会っておいで。リリスちゃんに」

「…?」

「君の中にいるんでしょう。だったら…少しの時間だけでも」

私は、ナジュ君の額に手を当て。

そっと、杖に魔力を込めた。





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