神殺しのクロノスタシス2
女子生徒だけではない。

ある日、シルナはとんでもない会話を聞いてしまう。

「イレース先生って、マジで美人だよな」

「それな」

そんな会話を聞き付け、シルナはひっそりと耳を立てる。

「でも、厳しくね?怒るとめっちゃ怖いし」

「そういうところも良いじゃん」

「ドMか」

「でも美人なのに変わりはないだろ?」

「確かに」

あはは、と楽しげな声をあげる男子生徒達。

彼らも、まさか自分達の会話がシルナに聞こえているとは思っていない。

だから、遠慮なく喋る。

「でも、俺は最近、イレース先生よりナジュ先生派になってる」

「おいマジかよ。お前そっち系の人?」

「じゃなくてさぁ。実技のとき、めっちゃ格好良いじゃん?」

「そりゃ…確かに格好良いけど」

「お前、イレース先生派を抜ける気か?この野郎~」

「抜けないって。一番はやっぱりイレース先生だよ」

「あんな美人、なかなかいないもんな」

そんな他愛のない話に。

シルナは、わなわなと肩を震わせていた。
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